AFTER HOURS SESSION

The Library (Kairi Komoda, naovillan, ueue)

The Libraryは、Kairi Komodaさん、naovillanさん、ueueさんの3人によるDJユニットです。まず、The Libraryとはどんなコンセプトのユニットですか?
"A place to explore music from the past, present, and future" をテーマに掲げダンスミュージックというフィルターを通して、各年代/各地に散らばった多種多様な音楽を集結させることをコンセプトに活動しています。-Kairi Komoda

 

The Libraryというユニット名の由来を教えてください。
3人とも造詣が深いジャンルや年代が微妙に違うので、それぞれの”ライブラリー”(レコードや音楽のコレクション)から持ち寄ってパーティーを作ろうという思いがあり、この名前に決定しました。あとはダンスミュージック史における伝説的なパーティー、The Loft、The Galleryからインスピレーションを受けています。 -Kairi Komoda

 

ユニットの結成はいつ、どんなきっかけですか?
2022年3月、僕(以下、タクミ)が大分・別府のCREOLE CAFEでプレイしていたKairi Komoda(以下、カイリ)と出会ったのが最初のきっかけです。その半年後には、東京のクラブでnaovillan(以下、ナオヤ)と出会いました。2人のプレイを初めて聴いた瞬間、DJを始めたばかりだった僕は衝撃を受けました。いわば一目惚れのような感覚で、思い切って声をかけたことがすべての始まりでした。
その後、僕が2人をブッキングしてパーティを開いた時に、初めて3人が集まり、自然と意気投合しました。カイリは当時九州の大学に通っていたので、東京に来た際には一緒にDJをしたり、逆に僕とナオヤがパーティに呼んでもらったりしながら、少しずつ関係が深まっていきました。カイリが上京する少し前に、青山ZEROで3人のパーティをやりたいという話が持ち上がったのですが、ちょうどそのタイミングでZEROの閉店が決まってしまい(笑)。でもその後、同じ場所でNUMMとしてリニューアルオープンするという話を聞いた時に「やるしかない」と気持ちが固まりました。その流れの中で、2024年9月にTSUBAKI fmでThe Libraryとして活動していくことを発表し、翌月、NUMMで初めて3人でのパーティを開催しました。-ueue

 

3人はそれぞれソロのDJとしても活躍されていますが、The Library内での役割分担やキャラクターの違いはありますか?
まずは僕 (タクミ)の話からさせてください。3人の中では一番のお調子者で、実はカイリとの初対面は最悪でした。酔っ払った勢いで、カイリのプレイ中にミキサーを勝手にいじってしまい、思いっきり怒られまして(笑)。今思えば本当にやってはいけないことをしたなと反省しています。ただ、その時のカイリのプレイがあまりにも良くて、つい興奮してしまったんですよね。後で自分の音楽愛を必死に伝えたら、なんとか許してくれました(笑)。
カイリは3人の中で一番しっかりしていて、The Libraryの「窓口」的な存在です。ブッキングやミーティングの調整、ちょっとした旅行の企画まで、なんでも段取りよく進めてくれます。僕やナオヤのだらしないところを叱ってくれる頼もしさもある一方で、ずっと音楽ネタのくだらないボケを投げてくるところは、大阪人らしく非常にやかましいですけど(笑)。
ナオヤは「孤高」という言葉がよく似合う人です(笑)。良い意味で自分の世界を持っていて、音楽はもちろん美的感覚に対してすごく真面目。普段は落ち着いていますが、抜けているところもたくさんあります(笑)。それがまた彼の魅力の一つでもあります。
キャラクターはバラバラでも、音楽に対する姿勢が3人をしっかり結びつけていると思います。-ueue
タクミは良いやつです! -Kairi Komoda. naovillan

 

3人それぞれの得意ジャンルやプレイスタイルを教えてください。
3人とも、基本的にはハウスとディスコを中心にプレイしています。そのうえで個性を挙げるなら、カイリはニューヨークハウスやジャズ、タクミは70〜80年代のソウルやファンク、ディスコを軸にすることが多く、僕(ナオヤ)はニューヨークハウスやディスコを中心にプレイします。
The Libraryのパーティでは、オープンから徐々にビルドアップし、メインではグルーヴをしっかり保ち、クロージングで余韻をつくる、という全体の流れを大切にしています。最近は、タクミがソウルやファンクでスロウに幕を開け、カイリがそのグルーヴを保ちながらハウスへ移行し、最後に僕(ナオヤ)がハウス・ディスコでピークを作るか、ディープハウスでじっくり潜る、という流れが3人の中で一番しっくり来ています。
それぞれ違うアプローチを持ちながらも「同じ物語を紡いでいくような感覚」でフロアと向き合えるのが、The Libraryの面白さだと思います。-naovillan

 

- 3人とも1999年生まれということですが、同い年のユニットだからこそ生まれる化学反応はありますか?
3人が同い年というのは、意外と大きいことだと思っています。同世代でここまで音楽の好みや価値観が近い人に出会えたことは珍しくて、好きな音楽について同じ解像度で話せるのは、一緒にプレイしていても楽しいです。26歳という同じタイミングを生きているので、将来のことや生活のリアルな部分についても、自然と共感し合えるんですよね。例えばDJを続けている僕らと、もう家庭を持っている同級生との違いみたいな、そういう現実的な部分も共通の話題になります(笑)。
もちろん、生まれ育った地域が違うので、通ってきたカルチャーには差があります。ただ、その違いが3人のプレイやパーティの流れにいい形で反映されている気がします。2人がどう感じているかは分かりませんが、僕は「99年生まれの3人でクルーを組んでいる」という点に、ちょっとした特別さを感じています。-naovillan


- ユニットとしてDJをすることの一番の魅力や面白さはどんなところにあると思いますか?
自分が知らない素晴らしい曲に出会えることですね。パーティの翌日に2人が流していた曲を延々と聴いていることがよくあります(笑)。 -Kairi Komoda
自分では辿り着けない世界に行けることです。自己完結するDJも魅力的ですが、3人の無限の選択肢が絡み合うことで思いもしないような展開になることが魅力だと感じています。(うまく機能しない場合も多々) -naovillan
尊敬している2人のグルーヴを一番近い距離で感じることができることです(笑)。 -ueue

 

- 今回のミックスに込めた思いやアイデアについて教えてください。
"The Library"のパーティを感じてもらえる様に構成しました。全体としては、ゆったり始まり、ファンキーでディープでソウルフルなダンスミュージック、そして最後は明日への希望になる様な着地。自分たちのパーティでキーとなっている曲(Adrian Gurvitz - Love Spaceなど)も盛り込みました。様々な感情に浸れるMIXになっていると嬉しいです。-naovillan

 

The LibraryでDJをする際、選曲は予め3人である程度擦り合わせていますか?それとも3人が思い思いに持ち寄ったレコードをその場でミックスしていくのですか?
The Libraryの3人で呼ばれるパーティの場合は、会場の雰囲気や出演時間を踏まえて、ざっくりとした流れだけ事前にミーティングで擦り合わせています。ただ、実際のプレイはその日の空気次第で。フロアがすでに温まっているのか、お客さんがまだDJのプレイに集中しきれていないのか、当日ブースに立つまではわからないので、事前の方針とまったく違う展開になることもよくあります。

とはいえ、与えられた時間でフロアをどうにか楽しい方向へ持っていきたいという気持ちは3人とも同じで、どんな空気でも最終的には多幸感あふれるハウスやディスコに着地させたい、と暗黙のうちに擦り合わせています。

このインタビューを読んでいるあなたも、The Libraryの出番前はやけにテキーラが回ってくると思っていませんか?(笑) -ueue


- naovillanさんは1年前にソロでAfter Hours Sessionに出演し、House Mixを披露してくださいましたが、今回はその時との差別化のようなものは意識しましたか?
https://youtu.be/0HnFq2-Q9o0?si=NJ_I_iMqlzL826om
前回は割と内省的な選曲をしたと記憶しています。今回はクルー3人でのMIXだったので、ベン図の被る範囲でパーティー感のあるソウルフルな選曲になりました。-naovillan

 

- 年末から2026年にかけて、The Libraryとしてはどのような計画がありますか?告知などもあればぜひ!
発足からここまでの1年間は日本でも屈指のサウンドシステムを誇る、青山NUMMにてパーティーを主催させていただきました。3人ともNUMMで行うパーティーの雰囲気や存在意義は大切にしたいと考えているので、NUMMでの主催は継続しつつ、都内各所に活動の拠点を増やしていきたいと考えています。
今後の告知としては、12/5(金)に代官山ORD.にて新世代ハウスミュージックシーンを牽引する「MiNNA(UK)」を招聘しパーティーを主催します。各年代・ジャンルを横断して多層的な音楽体験をシェアするという姿勢は変えず、世界中の気鋭のアーティストが持つ’’ライブラリー’’を皆さんにお届けできればと思っています!-Kairi Komoda

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The Library (Kairi Komoda, naovillan, ueue)

“A place to explore music from the past, present and future” をコンセプトに活動する1999年生まれの3人組DJコレクティブ。都内各所でのレギュラーパーティーやTSUBAKI fmでの番組を軸に、時代と地域を越えた多彩な音楽体験を提供している。

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