AFTER HOURS SESSION

Licaxxx

- 昨日Lighthouse Recordsで新譜を買ったと先ほどおっしゃっていましたが、どのぐらい買われたんですか?

15枚ぐらいじゃないかなって...?枚数は見てないですね笑 

- 今日は全部かけられましたか?

3分の1ぐらいかけましたね。

- 今新譜の12インチシングルって値段が上がってると思うんですけど、全部でおいくらぐらいでしたか?

¥35,000

- ¥35,000!?気合い入ってますね!

もはや値段も見ないです。迷ったやつは値段見るけど...。買うって決めたやつはもう値段も枚数も見ずに買ってます。

- ミックスを作成する際のご自身のアプローチ方法について教えてください。ライブじゃなくていわゆる録り物ってことなんですけど、それぞれにテーマはあるとは思うのですが。

うーん、基本的にライブを録ることが多くて、(ミックスを)作るとなると、ちょっとバイブスがわかんなくなっちゃいますね。

- なるほど確かに。しかも目の前にお客さんもいないですしね。

そうですね、家で録るのはテンション的に結構難しかったりするし、やるってなったらやるんですけど。

- ちょっとしたミスも気になるし...。 

あと録り物ってなった時はテクノとかハウスじゃないことの方が多い。アンビエントとか。

-もっとリスニング寄りというか。

うん、なので今回は収録だったけど、現場に行くのと変わらない感じで、これ今日かけたいな、使いそうだな、みたいなのをレコードバックに入れてその場で考えるみたいな。

- 1曲目2曲目ぐらいまでは決めていたんですか?

それも決めてなかった笑

- そうなんですね!ゴリゴリのアシッドハウスでしたよね今日は。そういえば以前ZERO TOKYOのオールナイトロング(2023/9/9のSINSO - All Night Long set-)でも割とアナログかけてましたよね?

後半戦は、結構ほぼ全部アナログだったと思います。

- どのぐらい持って行ってたんですか?

1箱パンパンで持って行ったんで結構ですかね?

- 未だにC+C Music Factoryがかかっていたのが印象的だったんですけど、 結構要所要所でかけてるイメージがあります。

うん、ダブバージョンがかっこいいから。

- ダブがかっこいいって結構90年代のハウスでアガるポイントですよね。

確かに。インストルメンタルとか。ただボーカル抜いただけじゃなくて、ちゃんとアレンジメントが変わってるっていう。

- 新しい音楽を探すときにはどんな感じなんですか?

レコ屋に行くのが好きです。今Lighthouse Recordsに行ってるのは、バイヤーがこれ好きそうみたいな感じで持ってきてくれるからで、それを聴いていいねってなるのが、なんか結構新しい。

- オールドスクールなスタイルでもありますよね。昔はみんなそうだったけど、今は逆にそういうのが新鮮ですよね。

なんかやっぱりSpotifyとかもこれが好きならこれが好きみたいな、色々教えてくれてて優秀だなと思うけど、人が入ってくることで、ちょっと違うの持ってきたりする。なんかそれが結構新しい。あと中古を掘り出してわけわかんないのを聴いてみて、たまたま良かったみたいなことがあるから結構レコ屋は定期的に行きたい。毎日毎日、毎週毎週じゃないけど、1〜2か月に1回行きたい。

- 地方でのDJのときも現地のレコ屋に行ったりするんですか?

します。単純に暇なんで(笑)。空き時間暇でレコ屋行くっていうのは結構昔からやってますね。

- めちゃめちゃDJですね。

あんまりカフェとか得意じゃなくて、とりあえず大きめの都市にはディスクユニオンはあるから行くかみたいな。地方のレコ屋には何かあるかなって。

- それは誰かにアテンドしてもらってとかなんですか?

いや普通にGoogleで「レコード」って入れて検索してます。だからもう全然私向きじゃないレコ屋も多いんですけど。

- いわゆるビンテージな感じのところとかですか? それはほんとに好きだから行く感じですね(笑)

そうかも。まあでもいい暇つぶしだと思うんで。

- ダンスミュージック以外のレコードも結構見るんですか?

たまに見ます。そんな量は買ってないかもしれないけど、聴く用にとか。 

- DJ活動以外にもマルチに活動されてると思うんですが、どんなものにクリエイティビティを刺激されていますか?

なんですかね...。もう刺激とも思ってないんだけど。 映画、ドラマ、アニメ、本...。

- ここ最近は出演する側でもありますしね。制作とかDJの時は、一気にスイッチを入れてそういうモードに持っていくんですか? それとも日常の地続き的に進めるんですか?

DJは結構地続きかもしれないです。自然に出てくる。現場に行って曲だけ聴いといて、うんうん、って。だからこのためのインスピレーションみたいなものはない。でも、楽曲制作に関しては、こういうの作りたいっていうリファレンスはあります。

- 作る前に書き留めたりとか、メモとかしておくんですか?

Spotifyのプレイリストとかにいれてますね。Spotifyはそういう使い方ですかね。

- DJとしてのキャリアをこれから始める人に何かアドバイスはありますか?

なんでしょうね...? DJでもいろんなタイプがありますからね。レコードだとかデータだとか、ジャンルも違えば様々ですが、続けることが大事ですかね。長くやっているとこういうフェーズに入るんですよね。

- 続けるのはやっぱり大変ですよね。もう習い事みたいな...。

でも続けて、その先も見えてるとなお良いですね。

- 今キラーワード出ましたね(笑)。DJとしてのキャリアももう長くなると思うのですが、最初からアナログレコードを使っていたわけではないですよね? いつ頃からですか? 

21〜22歳ぐらいにSauce81のレコードを初めて買って。レコードにしかなかった曲だったから買わなきゃいけないじゃんって。そこからなんかじんわり買うようになりましたね。その当時JET SETのレビューもやっていて、そこから定期的にレコードを掘るみたいなことをし始めました。CDJと全然違うから1年ぐらいは練習してましたね。

- McGuffinでtofubeatsさんが部屋に来た時(tofubeats @ 's studio-Show Your Room#1-)くらいにはもう結構レコードを買ってる時期だったんですか? 

買ってましたね。でもあの時はまだ練習中ぐらいの頃ですかね。あんまり現場で使ってなかった。でも今となっては分け隔てなくどっちも使ってます。

- 意識的にアナログかけようって感じの時はありますか? 行くぞみたいにエンジンかかるというか。 

やっぱりありますね。というかDJやってて、なんかハマんないなみたいな時があって。自分の旬がわからなくて、うまくフロアに対応できてない、みたいなことを感じる瞬間がDJを長くやっているとたくさんあるんですね。それを私たち「イヤイヤ期」って呼んでるんですけど(笑)。

- イヤイヤ期(笑)

そういうイヤイヤ期に入った時に、家にあるちょっと眠っちゃってるレコードを手に取って、そういえばこういうの好きだったとか見直してると、自分のやりたいことを思い出すんですよね。最新の音楽でも多分、一通りぐるぐる回っていて、全ジャンル聴いてると思うんです。その中で自分が過去に買ったレコードを見るから再発見があるわけで、そういう時に闇雲に新しいのを探し始めると、どんどんわからなくなってくるから...。そういう時はやっぱりレコードがいい。データだと膨大すぎて...。自分のデータ掘りみたいなのもやるにはやるんですが、それだと「やっぱこれだわ」ってならないことが多くて。っていう時に、やっぱレコードだけで今日はDJしてみようって現場行ってやると「ああ、これだわ!」ってなる。

- そういうリセットの仕方があるんですね。 結構大きめの箱、ZERO TOKYOとかでもアナログでやりますよね? 出音の違いとかもあると思うんですけど気にはならないですか?

新譜のレコードは割といいですね。音圧もしっかり出るし。ミキサーが良くなってることもあって、CDJと差があんまり出なくなったから、特に問題なく交互にかけられてるし。中古とかでも音が薄いやつとかはそもそも音が薄いものとして見てます。

- 無理して合わせるとかじゃなくて、ちゃんと順序立ててかける?

そうですね。圧が揃ってないのもフックになったりするみたいな扱いでかけてますね。

- 最後に今年これからのプロジェクトをお聞きしてもいいですか?

そうですね。DTM合宿(公募型の育成プログラム Tokyo Community Radio Presents “sessions” vol.3 at 伊豆稲取スポーツヴィラ)をまたやります(※掲載時はすでに終了)。去年は1人でDTMに向かってる時間が長かったんですけど、今回は最初からラッパーとかシンガーと3人くらいで組んでやるっていうコミュニケーションを大事にしたものになってます。ラップ入ってるもの色々あるわけで、要はヒップホップだけじゃなくて、クラブエディットをDJも一緒になって作ってっていうのも考えてます。DJがDJをやるだけじゃなくて、他に活かせる能力があるわけで、DTMしてみるっていうのが1つの手で、全然違う作業だったりするけど、現場からのフィードバック、プロデュースバックができるし、それをみんなでバイブスで作れたりすると、もっと量産されるんじゃないかなと。クラウドラップみたいに。散々DJとかイベントやってきて、もう次のステップに進むべきDJもたくさんいると思うし。

- 特にDTMは1人だと壁に当たりやすいですからね。みんなでやるっていうのは素晴らしいと思います。

もう0からのスタートで別キャリアになっちゃうんですよね。でもDJがレーベルやってるみたいに、ディレクション作業はDJは得意なはずなので、そこをもうちょっとみんなでできるようになったらいいなって。

- 特に今のヒップホップって顕著ですけど、既存のヒップホップの枠じゃなくてトランスとか色んなダンスミュージックが全部含まれてますしね。

そうそう、いろんなジャンルでやりたい。ハウスや四つ打ちがかかるクラブでも遊んでるラッパーがいるわけだし、みんなで盛り上げられると思う。日本は1人で0からのスタートを全員やってるから、なんか色々遅いんじゃないかなとも思ってて。スタジオとかないし。

- 一人でみんな向き合うしかないですしね。

でもその場に行ったらなんかできた!みたいなので5人で5曲作るのが楽しいと思う。曲作って楽しいという感覚を取り戻したい。私としてもだけど。各々の技術を持ち寄ることによって、そこが担保されるスムーズなフローを作り出したいですね。あと7月くらいに合宿で制作した曲のコンピレーションもリリースされます!この活動を広めてシーンを盛り上げていくために頑張っていきたいですね。

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Licaxxx

東京を拠点に活動するDJ、ビートメイカー、編集者、ラジオパーソナリティ。2010年にDJをスタート。マシーンテクノ・ハウスを基調にしながら、ユースカルチャーの影響を感じさせるテンションを操り、大胆にフロアをまとめ上げる。

2016年にBoiler Room Tokyoに出演した際の動画は60万回以上再生されており、Fuji Rockなど多数の日本国内の大型音楽フェスや、CIRCOLOCO@DC10 などヨーロッパを代表するクラブイベントに出演。日本国内ではPeggy Gou、Randomer、Mall Grab、DJ HAUS、Anthony Naples、Max Greaf、Lapaluxらの来日をサポートし、共演している。さらに、NTS RadioやRince Franceなどのローカルなラジオにミックスを提供するなど幅広い活動を行っている。

さらにジャイルス・ピーターソンにインスパイアされたビデオストリームラジオ「Tokyo Community Radio」の主宰。若い才能に焦点を当て、日本のローカルDJのレギュラー放送に加え、東京を訪れた世界中のローカルDJとの交流の場を目指している。

また、アンビエントを基本としたファッションショーの音楽などを多数制作しており、近年ではWリーグの音楽プロデュース、yoshiokubo、Chika Kisadaのコレクションに使用されている。