AFTER HOURS SESSION

Joe O

- 今回のミックスに込めた思いやアイデアについて、お聞かせいただけますでしょうか?

今回はアナログでの録音なので、レコードを集めて聴く楽しさを感じてもらえるものにしたかったんです。新譜やアナログ限定リリースの中から自分が特にシェアしたいものを選びつつ、クラブではあまりかける機会のない昔のお気に入りやB面も織り交ぜてミックスしました。


- ミックスを作成する際のご自身のアプローチ方法について教えてください。

ミックスを作るときは、まずそのエネルギーの“形”をイメージすることが多いですね。たとえば、ゆっくりと盛り上がってクレッシェンドを迎えるのか、それとも途中に内省的なフェーズを挟んだ谷のような構成にするのか、といった感じです。次に、さまざまなエネルギーのレベルやムードのレコードを揃え、全体の流れがまとまりのあるものになるようにバリエーションを意識しながら選んでいきます。でも結局のところ、実際にプレイし始めると、ミックスは自然と自分の道を見つけていくんですよね!

 

- 新しい音楽を探す際に、どのような方法を好んでいますか?まだ実際にレコード店で音楽を探すのを楽しんでいますか、それともオンラインでの購入を好むようになりましたか?

下北沢に住んでいるおかげで、素晴らしいレコードショップがすぐ近くにあるので、毎週のように掘りに行っています。でも最近は、新譜やずっと探していたレコードなど、特定のものをオンラインで買うことも増えてきました。Bandcampでもよく音楽を買いますが、やっぱり実際にレコードを手に取って発見するあの視覚的・触感的な体験には敵いませんね。


- DJ活動以外で、あなたのクリエイティビティを刺激するものは何ですか?

僕はグラフィックデザイナーとしても活動していて、音楽と並ぶもうひとつの大きな愛情を注いでいるものです。DJと似ている部分も多くて、常に面白いインスピレーションを探したり、新しいデザイナーを発見したり、ふと目にした奇妙なビジュアルを作品に活かせないか考えたりしています。決まったゴールのない創造的な旅なんですよね。

 

- DJとしてのキャリアをこれから始めようとしている方々に向けて、何かアドバイスはありますか?

たとえレコードをプレイしなくても、あるいは買えなくても、レコードショップを訪れて掘る体験はぜひおすすめしたいですね。さまざまなスタイルやレーベル、アーティストを知る最高の方法ですし、レコードショップは音楽の歴史が詰まった図書館のような存在でもあります。これはDJにとってもとても大切なことだと思います。でも何よりも大事なのは、楽しむこと! それ以上のことは、すべてボーナスみたいなものです。


- 2025年は、どのような計画がありますか?

渋谷Oathで開催している月例パーティー「Yes Chef!」は引き続き精力的に続けつつ、今年はさらに多くの海外アーティストを日本に招く予定です。海外でのギグもいくつか決まっていますし、新宿のRoom303 Radioで新たにスタートした月刊ヴァイナルオンリーの番組「Rat Tracks」も始まりました。このラジオのチームが作るものには本当にワクワクしています。そして、今年こそはついに自分の音楽をリリースしたいですね!

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Joe O

Joe Oは、ロンドン出身・東京在住のDJ兼ビジュアルデザイナー。ディープでひねりの効いたハウスミュージックへの深い愛情を持つ。エネルギッシュで予測不能なヴァイナルオンリーのプレイスタイルで知られ、東京のアンダーグラウンドシーンにおいて重要な存在となっている。Red Bar、Vent、Wombなどでレギュラー出演しながら、バリやバンコクなど海外でも精力的にプレイしている。
また、渋谷の伝説的なクラブOathのレジデントとして、月例パーティー「Yes Chef!」を共同主催。東京のハウスミュージックカルチャーに欠かせないイベントとなっている。
ダンスフロアの外では、新宿のRoom303 Radioでヴァイナルオンリーの番組「Rat Tracks」をキュレーション。自身のスタイルを発信するとともに、東京屈指のセレクターたちとともに独自の選曲を展開している。