AFTER HOURS SESSION
国内外で活躍するアーティストを招き、DJミックスやライブセッションの動画をインタビューと共に紹介。
AFTER HOURS SESSION
tzbasa
-- 今回のミックスに込めた思いやアイデアについて教えてください。 今日は、現行のダンスミュージックのトレンドとはまたちょっと違うところをやりたいなっていうのがあって、90年代から2000年ぐらいの古き良きテックハウスを中心に選んできました。当時のヨーロッパ/アメリカ西海岸の音源をメインに、その時代のサウンドを踏襲した現行作品も若干織り交ぜています。 あとは、こういう雰囲気のお店だし、クラブの現場でもないので、派手な展開を抑えて、よりグルーヴキープと反復の気持ちよさを重視しました。BGM感覚で聴けたり、何か作業するのにも向くような内容の方がいいのかなということも意識しました。 -- 今日プレイした中で、特にかけたかったレコードや皆に紹介したかったものがあれば何枚か教えてください。 結構あるので迷いますね。 まずは、Lance DeSardiの「Jazz Salad」(2002)。US西海岸出身で、今はUKに拠点を移しているディープハウスのアーティストが、2002年にPacific Traxxというレーベルから出した12インチです。前から好きな曲で、ずっと欲しいなと思って狙っていたんですけど、オリジナルは結構いい値段するんですよ。そしたらある日、それを知っている友達がプレゼントしてくれて。すごく嬉しかったんですけど、その直後に再発が出ました(笑)。それ以来ずっとレコードバッグに入れていますが、普段プレイする現場だと意外とかけるタイミングが見つけられなかったりするので、今日は絶対かけようと思って、前半でプレイしました。 次は、Sugafootの「Blow」(2004)。US西海岸のテックハウスの12インチです。10年くらい前、自分が二十歳くらいの時に何もわからず買いました。たぶん買った当時はトレンドから外れた音で、100円のエサ箱から救出したと思うんですが、一周して今また新鮮に聴こえるんですよね。肩の力が抜けたハウスが最近の個人的な好みで、最近のナンバーワン再評価レコードです。こういうことがあるので“実家掘り”はオススメです(笑)。 もう1枚は現行のリリースを。Icebergの『Fresh Ink』(2025)という去年出た12インチです。90年代から2000年くらいのUKのテックハウス・シーンの音楽性を完全にトレースしつつ、今の現場に合うような“鳴り”になっていて、全曲好きですね。とりあえずレコードバッグに入れておけば、時間帯や現場によってどれかしらはプレイできます。 パーカッシヴで疾走感のあるリズムがひたすら繰り返されるのが好きで、初期のUKテックハウスは僕にとって衝撃的なダンスミュージック体験でした。だからここにきてリバイバルしてきているのは嬉しいですよね。このグルーヴ感が自分の個性やスタイルだと思っているし、よくプレイしています。 -- レコードでDJをやることの魅力はどんなところにあると思いますか? 好きな音楽を所有する悦びです。それに尽きると思います。 僕はHipHop文化からDJを始めたので、最初に買った機材がターンテーブルだったんです。だからレコード店でレコードを探して買うことが、子供の頃から当たり前だった環境だったんです。データもうまく扱えるようになりたいとは思っているんですが、形のないものをインターネットで買って管理するのがあまり得意ではなくて……。好きな音楽を物として持っているという事実が、シンプルに落ち着くんですよね(笑)。 とはいえDJにもいろんなスタイルがあるし、アナログ至上主義みたいな価値観に縛られないようにはしています。やはり現場でいいプレイができることが一番大事だと思っているので、プレイの良し悪しとフォーマットを結びつける必要はないとも感じています。 それでも、レコード店に行って新しい音楽に出会う喜びは本当にかけがえのない瞬間なので、これから先も変わらず続けていくんだろうなと思っています。 -- レコードでDJをする際に拘っているポイントはありますか? 100%できている自信はないのですが、「初めて現場でプレイする曲」を準備するようにしています。 新譜でも旧譜でも、これまで現場でかけたことのない曲をセットに組み込むことで、自分の中で新しい発見があったり、そこからセットの流れが変わっていくのが楽しいです。 馴染みのある現場だと、自分の中で完全に咀嚼できていない曲や、普段プレイするレコードの裏面をあえてかけることで、スリルを楽しんでいることもあります(笑)。 -- DJ活動以外で、あなたのクリエイティビティを刺激するものは何ですか? 生活の中であらゆるものから刺激は受けるんですが、具体的に挙げるとしたら楽曲制作と本です。 楽曲制作は音楽的な繋がりがあるので質問の意図とは異なるかもしれませんが、いいDJのセットを聴いたあと、そのDJをイメージして楽曲を作ります。リスニング志向の曲のレコードも買うので、そこからサンプリングのヒントを得ることもあります。...
tzbasa
-- 今回のミックスに込めた思いやアイデアについて教えてください。 今日は、現行のダンスミュージックのトレンドとはまたちょっと違うところをやりたいなっていうのがあって、90年代から2000年ぐらいの古き良きテックハウスを中心に選んできました。当時のヨーロッパ/アメリカ西海岸の音源をメインに、その時代のサウンドを踏襲した現行作品も若干織り交ぜています。 あとは、こういう雰囲気のお店だし、クラブの現場でもないので、派手な展開を抑えて、よりグルーヴキープと反復の気持ちよさを重視しました。BGM感覚で聴けたり、何か作業するのにも向くような内容の方がいいのかなということも意識しました。 -- 今日プレイした中で、特にかけたかったレコードや皆に紹介したかったものがあれば何枚か教えてください。 結構あるので迷いますね。 まずは、Lance DeSardiの「Jazz Salad」(2002)。US西海岸出身で、今はUKに拠点を移しているディープハウスのアーティストが、2002年にPacific Traxxというレーベルから出した12インチです。前から好きな曲で、ずっと欲しいなと思って狙っていたんですけど、オリジナルは結構いい値段するんですよ。そしたらある日、それを知っている友達がプレゼントしてくれて。すごく嬉しかったんですけど、その直後に再発が出ました(笑)。それ以来ずっとレコードバッグに入れていますが、普段プレイする現場だと意外とかけるタイミングが見つけられなかったりするので、今日は絶対かけようと思って、前半でプレイしました。 次は、Sugafootの「Blow」(2004)。US西海岸のテックハウスの12インチです。10年くらい前、自分が二十歳くらいの時に何もわからず買いました。たぶん買った当時はトレンドから外れた音で、100円のエサ箱から救出したと思うんですが、一周して今また新鮮に聴こえるんですよね。肩の力が抜けたハウスが最近の個人的な好みで、最近のナンバーワン再評価レコードです。こういうことがあるので“実家掘り”はオススメです(笑)。 もう1枚は現行のリリースを。Icebergの『Fresh Ink』(2025)という去年出た12インチです。90年代から2000年くらいのUKのテックハウス・シーンの音楽性を完全にトレースしつつ、今の現場に合うような“鳴り”になっていて、全曲好きですね。とりあえずレコードバッグに入れておけば、時間帯や現場によってどれかしらはプレイできます。 パーカッシヴで疾走感のあるリズムがひたすら繰り返されるのが好きで、初期のUKテックハウスは僕にとって衝撃的なダンスミュージック体験でした。だからここにきてリバイバルしてきているのは嬉しいですよね。このグルーヴ感が自分の個性やスタイルだと思っているし、よくプレイしています。 -- レコードでDJをやることの魅力はどんなところにあると思いますか? 好きな音楽を所有する悦びです。それに尽きると思います。 僕はHipHop文化からDJを始めたので、最初に買った機材がターンテーブルだったんです。だからレコード店でレコードを探して買うことが、子供の頃から当たり前だった環境だったんです。データもうまく扱えるようになりたいとは思っているんですが、形のないものをインターネットで買って管理するのがあまり得意ではなくて……。好きな音楽を物として持っているという事実が、シンプルに落ち着くんですよね(笑)。 とはいえDJにもいろんなスタイルがあるし、アナログ至上主義みたいな価値観に縛られないようにはしています。やはり現場でいいプレイができることが一番大事だと思っているので、プレイの良し悪しとフォーマットを結びつける必要はないとも感じています。 それでも、レコード店に行って新しい音楽に出会う喜びは本当にかけがえのない瞬間なので、これから先も変わらず続けていくんだろうなと思っています。 -- レコードでDJをする際に拘っているポイントはありますか? 100%できている自信はないのですが、「初めて現場でプレイする曲」を準備するようにしています。 新譜でも旧譜でも、これまで現場でかけたことのない曲をセットに組み込むことで、自分の中で新しい発見があったり、そこからセットの流れが変わっていくのが楽しいです。 馴染みのある現場だと、自分の中で完全に咀嚼できていない曲や、普段プレイするレコードの裏面をあえてかけることで、スリルを楽しんでいることもあります(笑)。 -- DJ活動以外で、あなたのクリエイティビティを刺激するものは何ですか? 生活の中であらゆるものから刺激は受けるんですが、具体的に挙げるとしたら楽曲制作と本です。 楽曲制作は音楽的な繋がりがあるので質問の意図とは異なるかもしれませんが、いいDJのセットを聴いたあと、そのDJをイメージして楽曲を作ります。リスニング志向の曲のレコードも買うので、そこからサンプリングのヒントを得ることもあります。...
Sugab
インドネシア・ジャカルタを拠点に活動するDJ/ヴァイナルセレクター。プレイはすべてレコードのみで行う。(「Sugab」は「Bagus」を逆から読んだ名前)南ジャカルタ・パサール・サンタ(Santa Modern Market)に店舗を構えるレコードショップ「Kamargelap Records」のオーナーでもあり、インドネシアの音楽文化やレコードカルチャーの発信を続けている
Sugab
インドネシア・ジャカルタを拠点に活動するDJ/ヴァイナルセレクター。プレイはすべてレコードのみで行う。(「Sugab」は「Bagus」を逆から読んだ名前)南ジャカルタ・パサール・サンタ(Santa Modern Market)に店舗を構えるレコードショップ「Kamargelap Records」のオーナーでもあり、インドネシアの音楽文化やレコードカルチャーの発信を続けている
Billie-Jean: Disco/Boogie/Soul
究極のレコードコレクションを持つDJ。17年以上にわたりレコードを集め続けており、その所蔵は5,000枚以上にのぼる。彼女のコレクションを見れば、ソウル、ファンク、ディスコ、ブギー、ジャズ、ラテン、アフロ、ハウス、日本のシティポップ、ロック、ヒップホップなど、多彩なジャンルが幅広く揃っている。
Billie-Jean: Disco/Boogie/Soul
究極のレコードコレクションを持つDJ。17年以上にわたりレコードを集め続けており、その所蔵は5,000枚以上にのぼる。彼女のコレクションを見れば、ソウル、ファンク、ディスコ、ブギー、ジャズ、ラテン、アフロ、ハウス、日本のシティポップ、ロック、ヒップホップなど、多彩なジャンルが幅広く揃っている。
yuki irioka
演歌/ムード歌謡のセレクターとして都内を中心に活動。2025年に「むせび泣く東京ムード会議」を発足させ、DJ、雑誌・WEBでの執筆などを通じて演歌の新しいリスニングスタイルを提唱している。軽音楽グループ・Super VHS主宰。
yuki irioka
演歌/ムード歌謡のセレクターとして都内を中心に活動。2025年に「むせび泣く東京ムード会議」を発足させ、DJ、雑誌・WEBでの執筆などを通じて演歌の新しいリスニングスタイルを提唱している。軽音楽グループ・Super VHS主宰。