AFTER HOURS SESSION

SugarNasty

-- 今回のミックスに込めた思いやアイデアについて教えてください。

(ネイト)『Small Axe』という映画を観たんですが、その作品が1970年代ロンドンのラヴァーズ・ロックをテーマにしていて、今日はその雰囲気をイメージしたセットにしました。


-- 今日はラヴァーズ・ロックをプレイしていただきましたが、普段は他にどんなジャンルをかけていますか?

(ネイト)Y2K時代のヒップホップやR&B、ダンスホールをよくかけますね。ロックも少しかけます。基本的には、その時のお客さんの雰囲気に合わせて選んでいます。


-- お二人がラヴァーズ・ロックで一番好きなところは何ですか?

(アシュリー)いい質問ですね。私が好きなのは、自然と体を揺らして踊りたくなるところですね。すごくリラックスできる音楽なんです。私は子どもの頃、おばあちゃんがいつもラヴァーズ・ロックを流していたので、その頃の楽しい思い出がよみがえります。

(ネイト)とてもノスタルジックなところですね。聴いているだけで幸せな気持ちになります。愛や優しさにあふれていて、とにかく心地いい音楽なんです。そこが大好きです。


-- 今日かけた曲の中で、特に紹介したいレコードがあれば見せていただけますか?

(ネイト)Dennis Brownの「Love Has Found Its Way」です。僕がアシュリーにプロポーズした時に流した曲なんです。それに結婚式のファーストダンスでもこの曲を使いました。だから僕たちにとって特別な一枚なんです。


-- ラヴァーズ・ロックをあまり知らない人におすすめしたいレコードはありますか?

(アシュリー)Dinah Brownの「Anything You Want」という曲で、私が大好きなSWV「Anything」をカバーした曲です。このバージョンを歌っているのは、Dennis Brownの娘Dinah Brownです。1999年の作品なんですが、とても気に入っています。

(ネイト)『Reggae Greats - Strictly For Lovers』というコンピレーション盤です。ラヴァーズ・ロックの名曲がたくさん収録されているので、一曲だけ選ぶのは本当に難しいですね。今日プレイしたのは、このアルバムに収録されているBarry Biggsの「Wide Awake in a Dream」でした。Barry Biggsといえば、Evelyn "Champagne" Kingの「Love Come Down」のレゲエ・カバーで知られていますが、これは彼のやや知られざる曲のひとつです。


-- お二人の地元ワシントンD.C.にはレゲエコミュニティはありますか?

(ネイト)そこまで大きくはないですね。でも知り合いにはレゲエ専門のセレクターが2〜3人います。ラテン・レゲエやコロンビアの音楽を取り入れたクロスオーバーなスタイルのDJもいます。


-- ワシントンD.C.のクラブカルチャーについても簡単に教えてください。

ワシントンD.C.のクラブシーンは、2000年代初頭から大きく変化しました。以前はLOVE、Ibiza、Nationのような少数の大きなメガクラブが中心でしたが、今はより親密なサイズのヴェニューへと移行しています。そうした小さめのヴェニューでは、R&B、アフロビーツ、ポップなど、特定のジャンルにフォーカスしたイベントが行われています。D.C.では2021年以降、レコードバーの数も大きく増えていて、ハイファイなリスニングラウンジから、安く飲めるダイブバーまで幅広くあります。私たちは、2013年にオープンした街で最初期のレコードバーのひとつ、Showtime BarでDJを始めました。今も続いているお店です。


-- 夫婦デュオでDJしていて何が一番楽しいですか?

(アシュリー)私にとっては、一緒にレコードディグをする時間ですね。気づいたら3時間経ってたりします(笑)。お互いに見つけたレコードを見せ合って、「これは絶対欲しいね」「これはまた今度かな」なんて話しながら選ぶのが本当に楽しいです。それに、夫と一緒にそういう時間を過ごせること自体が幸せですね。

(ネイト)僕は、彼女が好きな曲を知れることですね。自分一人だったら選ばない曲もたくさんあって、お互いの好みが重なりながらも違う部分があるので、すごくいいバランスになっています。彼女は曲同士の組み合わせを考えるのも本当に上手で、自分では思いつかないアイデアをくれるんです。一緒に作り上げるのが楽しいですね。


-- DJ活動以外で、あなたのクリエイティビティを刺激するものは何ですか?

(ネイト)10代の頃からギターとベースを弾いていて、世界ツアーを行うアーティストや、地元のロック・カバーバンドとも演奏してきました。写真の趣味を探求するのも好きです。

(アシュリー)私は小学校の先生なので、生徒たちに常に即興で対応しなければいけません。それに、いろいろな趣味も創造性を保つ助けになっています。D.C.には無料で入れる美術館や博物館がいくつもあるので、できるだけ多く足を運ぶようにしていますし、旅行を計画することも本当に好きです。


-- DJセットを組むときは、お二人で一緒に選ぶんですか?それとも別々に選ぶんですか?

(アシュリー)最初から最後まで、ほとんど一緒に作っている感覚です。まず「この10枚は絶対使いたいね」というレコードを選んで、そこから軸になるレコードを決めて、それに合う曲をどんどん組み合わせていきます。


-- お二人は好みも少し違いますよね?

(アシュリー)私はポップミュージックがすごく好きなんです。ポップスのレコードを探して、いつも彼に「この曲知ってる?」って聞くんですけど、彼は「知らないなあ」って(笑)。

(ネイト)僕は子どもの頃、A Tribe Called QuestやDe La Soulのようなクラシック・ヒップホップが好きでした。そこからサンプリング元を辿っていって、ジャズにどんどんハマりました。J Dillaなんかも大好きです。だから今でもジャズが本当に好きですね。彼女も僕の好きな音楽を結構気に入ってくれています。


-- セットを決める時は、お互い相談しながら決めるんですか?

(アシュリー)もちろんです。例えばY2Kのセットなら、「ヒップホップはあなたが選んで」とお願いします。私が知らないディープな曲もたくさんあるので、「それ絶対かけよう」って言います。そういう曲を喜んでくれる人が必ずいますからね。私は逆に、みんなが知っている曲を5曲くらい選んで、そこに少しマニアックな曲を2曲くらい混ぜたりします。


-- あなた達にとって、DJとして大切なマインドとはどんなものですか?

(ネイト)自分たちが楽しめる音楽をプレイすることは大切だと思いますが、同時にその場の空気を読むことも必要です。お客さんの反応は毎回違いますし、曲への反応もその時々で変わるので、柔軟に対応できなければいけません。

最終的なマインドとしては、自分たちの音楽的な好みに正直でありながらも、完全に自分たちのためだけではなく、オーディエンスのためにプレイしているという感覚です。


-- 2026年はどのような計画がありますか?

(ネイト)9月12日にNo Kisses Barで4時間のセットを控えています。さらに、次の日本旅行の計画もすでに立てていますし、今後もより多くのDJの機会を楽しみにしています。


-- 最後の質問です。今日、ELLA RECORDSでDJをしてみていかがでしたか?

(アシュリー)本当に楽しかったです。すごくリラックスしてプレイできました。自然光もすごく綺麗でした。普段は暗い場所でライトを使いながらDJをしているので、プレイ中にライトを使わなくていいのもよかったです。

(ネイト)僕は正直、どんな雰囲気になるのか想像がつかなかったんですが、期待以上でした。みんな本当に温かく迎えてくれて、すごく落ち着いた空間でした。最高の時間でした。


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SugarNasty

ワシントンD.C.を拠点に活動する夫婦DJデュオ。スムースなラヴァーズ・ロックを軸に、ダンスホール、90年代〜Y2KのR&Bやヒップホップを織り交ぜた選曲を得意としている。