-- 今回のミックスに込めた思いやアイデアについて教えてください。
ライブストリーミングでDJをするのも、とても好きなんです。クラブのように目の前にお客さんがいるわけではないので、いろいろなミックスを自由に試せますし、普段クラブでは必ずしもかけないようなレコードをプレイするなど、選曲でもいろいろなことを試せるんですよね。

-- 今日プレイした曲の中で、特に紹介したい1曲はありますか?
最後にかけた曲は特にお気に入りの1曲ですね。最近友人から購入したレコードで、Roman S.の「On My Journey」という曲です。2000年の作品で、とても実験的なハウス・ミュージックなんですが、何度聴いても飽きません。
もう1曲は最近クラブでもよくプレイしているBox of Froxの「Sexual」です。プログレッシブな雰囲気がありながら、とてもミニマル、シンプル、そしてエレガントな作品です。僕は音楽を探すとき「エレガント」という要素をとても大切にしています。
-- もともとはジャズやファンクを聴いていたそうですが、ミニマルハウスに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
最初に夢中になったのはダンスミュージックでした。10代後半の頃、クラブへ遊びに行くようになったのがきっかけです。その後ロンドンへ移り住み、そこで出会った友人たちが音楽制作やDJをしていました。彼らの後ろで何時間も制作風景を見ていましたね。
仕組みはまったく分からなかったけれど、とにかくすごく面白そうに見えたんです。それが完全にこの世界にハマるきっかけでした。彼らは僕の音楽人生において、本当に大切な存在です。
-- レコードでDJをやることの魅力はどんなところにあると思いますか?
僕の考えでは、レコードにはいくつかの魅力があります。まず、僕はコレクションすること自体が大好きなんです!それに、音楽に価値を与えてくれるところもすごく好きです。デジタル音楽に比べて「使い捨て」になりにくいというか。もちろん、これはあくまで僕の個人的な意見ですが、自分のコレクションにあるレコードなら、それぞれどこで買ったのかを覚えています。でも、デジタル音楽では、そういう記憶が残ることはあまりないんですよね。

-- 最初はどんなアーティストを聴いていましたか?
エレクトロニック・ミュージックという意味では、最初はフランスのシーンから大きな影響を受けました。90年代後半から2000年代初頭にMiss Kittin & The Hackerが盛り上がっていた頃ですが、僕は90年代後半にはまだ若かったので、実際に聴き始めたのは2000年代初頭です。ChloéやIvan Smaggheもよく聴いていました。
それから当時はBPitch Controlの勢いがすごくて、Sascha Funkeのようなアーティストを含め、あの頃のシーンにどっぷりハマっていました。音楽の好みというのは、本当に変化していくものだと思います。新しい音楽を知れば知るほど、自分の感性や価値観も育っていく。
最初に聴いたエレクトロニック・ミュージックは「人生が変わる!」と思ったけれど、そのあと別の曲を聴くと、「いや、こっちのほうがすごいな」と思ったりもする。もちろん、その時点では最初の曲も人生を変えた音楽だったんです。そうやって少しずつ、自分にとって何が良い音楽なのかという感覚が磨かれていく。だから終わりはありません。毎日できるだけたくさんの音楽を聴くようにしています。
-- 世界中でDJをされていますが、特に印象に残っている場所はありますか?
いくつかありますね。ベルギーは本当に素晴らしいシーンがあります。それからウクライナも、とても美しいシーンでした。キエフでの思い出は特に印象深いですね。

-- あなたにとって、DJとして大切なマインドとはどんなものですか?
できる限り、DJセットには「何かを伝える」という要素があってほしいと思っています。そこには、予想外の展開やサプライズがあって、他の誰とも違う、自分ならではの方法でオーディエンスとつながっていく。そして、それがDJとしての自分のアイデンティティを築くことにもつながると思うんです。
-- 先日、日本のクラブでもプレイされていましたが、日本のクラブシーンについてどんな印象を持ちましたか?
すごく感動しました。お客さんが本当に音に集中していて、サウンドシステムのクオリティも非常に高かったです。日本らしさを感じました。何かをやるなら、できる限り最高の形でやろうとする姿勢がありますよね。その精神が音にも表れていると感じました。
-- 2026年はどのような計画がありますか?
長いアジアツアーを終えたあとは、年末までヨーロッパでのDJ出演を続けながら、来年に向けた音楽制作を進める予定です。今回のツアー前にもたくさんの音楽を録音してきたので、これからそれらをプロデュースして、完成させていきたいです。
自分の音楽のリリース準備に加えて、自身のレーベル「No Time County」からリリースする作品の準備も進めていきます。

-- 最後の質問です。今日、ELLA RECORDSでDJをしてみていかがでしたか?
とても楽しかったです。ライブストリーミングは毎回面白い挑戦ですね。ここは本当に理想的な環境でした。ターンテーブルが2台あって、良いミキサーがあれば、それだけで十分です。お店も本当に素敵ですし、今回招待していただけたことに感謝しています。本当に楽しい時間でした。それから、日本語字幕付きで自分のインタビューを見るのも楽しみにしています。(笑)