AFTER HOURS SESSION

Sasha Guryev

- 今回はグウォッカやズークなど、カリブ海はアンティル諸島の音楽をテーマにしたすばらしいミックスを披露してくれました。まず、これらのジャンルは日本のリスナーにはあまり馴染みがないかもしれないので、どんな音楽的特徴があるのか簡単に教えてもらえませんか?

まずは、この素敵なチャンネルに呼んでいただき、本当にありがとうございます!
僕が最初にあなたたちのことを知ったのは、YouTubeの「Whole Earth Record Store Map」シリーズでした。それを観たことが、日本でもう一度ディグをしたいなと思ったきっかけのひとつになったんです。

これらはカリブ海の音楽ジャンルで、主にグアドループとマルティニークで生まれたものです。グウォカは伝統的な手拍子ドラムの演奏で、共同体の中で演奏されることが多く、精神的な表現やアフロ・カリビアンのアイデンティティに深く根ざしています。ズークは80年代に誕生し、こうしたリズムに電子楽器やシンセサイザーを組み合わせ、アンティル諸島クレオール語のボーカルを乗せたスタイルです。

 

- 今回のミックスに込めた思いやアイデアについて教えてください。タイトルの「Kreyòl」というスペルからも、あなたのこだわりが感じられます。

この音楽は、17世紀の植民地化の影響で、ほぼすべてがフランス語系クレオール語で歌われています。ミックスは、いくつかの長尺のスピリチュアル・ジャズの曲から始まり、徐々にシンセサイザーを取り入れた、陽光に満ちたコズミックなサウンドへと展開していきます。


- これらのジャンルに惹かれた理由やきっかけを教えてください。

このジャンルに初めて出会ったのは、おそらく2018年頃。当時出ていたさまざまなDJミックスやコンピレーションを通じて知り、それ以来ずっと掘り下げて集めています。さらに深く探求していく中で、時間をかけて見つけたグウォッカのレコードもたくさん買うようになりました。

 

- グウォッカやズークのレコードは入手が難しいですか?

驚いたことに、このミックスの冒頭でかけた「Ka Lévé」のオリジナル盤をはじめ、いくつものレコードをミックス収録後にタワーレコード渋谷店で見つけることができました!とてもレアな一枚なので、そこにあったこと自体に思わず興奮してしまいました。これがその時に撮った写真です。

このジャンルのレコードを掘り始めたい人には、パリやマルセイユがおすすめです。まだまだ掘り出し物がたくさん見つかりますよ。僕も何度も行っていますが、Crocodisc や Marché Dauphine(真ん中にUFOがある、週末にレコードディーラーが集まるマーケット)などは特におすすめです。一日かけてレコードを掘ったり、人と話したりして楽しめます。その時の写真をいくつかシェアしますね。


 

- 多彩な音楽趣味をお持ちのようですが、今回プレイしてくれたジャンル以外に、普段あなたはどんなジャンルのレコードをDJでプレイしていますか?

状況や会場によって本当に変わると思います。たとえば最近の日本ツアーでは、スピリチュアル・ジャズや有機的なパーカッションの音だけを使った曲ばかりをかけて、シンセやドラムマシンは一切使いませんでした。これは、以前のセットとはかなり違うアプローチです。コンテクストに応じてまったく違うセットを組むことができるのは、セレクターとしての成長やスキルアップにつながると感じています。

 

 

- 現在あなたが暮らしているリスボンのレコードやDJカルチャーについて教えてください。

リスボンはアンゴラやカーボ・ヴェルデ、ブラジルなど、そこにしかないようなレコードがたくさん眠っている、とても音楽的に豊かな街です。

比較的小さな都市なので、シーンはDIY色が強く、自分たちでイベントや会場、サウンドシステムを運営している人が多いのが特徴です。ナチュラルワインを飲みながら音楽を楽しめるバーも豊富にありますね。

日本で出演したイベントに比べると、選曲に対する意識が少し低い印象もありますし、エネルギッシュなダンスミュージックに重点が置かれているように感じます。でも、自分がこちらでイベントを主催するようになったら、もっと創造的な選曲に目を向けてもらえるように働きかけたいと思っています。

 

- 今回の日本滞在中にレコードショップ巡りはしましたか?また、主にどんなレコードを探していましたか?
実は日本には、ジャズやインディペンデント系のスピリチュアル・ジャズのレコードが驚くほど豊富にあって、特に日本盤は音質も高くて手に入れやすいことに気づきました。

今回が日本への渡航は通算2回目で、今年に入ってからも2回目の訪問になります。1月の最初の旅で行きそびれた場所や、新たにあなたたちのチャンネルを通じて知ったお店も含め、今回はいろんな場所を回ってみたいと思っていました。

 

- DJとして大切なことは何だと思いますか?技術面、精神面それぞれ教えてください。
ステージ上での存在感ですね。そこは今まさに一番力を入れて改善しようとしている部分なので、いつかは違う答えができるようになりたいです。

ここで言うのは、ダンス系DJのように手を振り上げたりすることではなく、自分自身の見せ方や立ち振る舞い全体のことを指しています。

- DJ活動以外で、あなたのクリエイティビティを刺激するものは何ですか?

オーディオ機器の修理や自作、楽器作り、シンセサイザーの演奏、アナログ録音による音楽制作。それから、自宅のインテリアデザインや創造的な料理作りにも取り組んでいます。

- DJとしてのキャリアをこれから始めようとしている方々に向けて、何かアドバイスはありますか?
私はどちらかというとレコード収集家なので、この質問には他の方のほうが適任かもしれません。

- 2025年はどのような計画がありますか?
最近、新しくWorldwide FMでラジオ番組「Sol Infinito」を始めたところです。また、自分のイベントシリーズ用に、とてもナチュラルな音のKlipschハイファイ・サウンドシステムも構築中です!

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Sasha Guryev
ウクライナ出身のレコードコレクター/セレクター/ミュージシャン。現在はポルトガル・リスボンを拠点に活動している(以前は米国サンフランシスコ湾岸エリア在住)。ベルリンのコミュニティラジオ「Refuge Worldwide」のレジデントを務めるほか、自身の番組 Thoughts, Visions, Dreams では、コズミックからトロピカル、ソウルフルからアップリフティングまで、時空を越えた深いグローバルサウンドをキュレーションしている。
15年間にわたり、Klipschのスピーカーからオープンリールデッキまで、オーディオ機材やハイファイの修復に携わってきた彼は、世界中を旅して入手困難なレコードを探し求める熱心なディガーでもあります。こうした情熱が評価され、著名なチャンネル「My Analog Journal」にも招かれ、カーボベルデの Synthesized PALOP & Cosmic Funaná をテーマにしたミックスを披露した。 近年は東南アジア、日本、サンパウロでツアーを行い、その羨望のレコードコレクションから、コズミック・ズークやソウルフル・ディスコ、南国を感じさせるアストラル・エキゾチカ、バレアリック・ジェム、そしてその中間にあるあらゆる音楽まで披露。常にディグを続け、知られざるエキサイティングな音を前へ押し出し続けています。