AFTER HOURS SESSION

Maison Blanche - Disco/Boogie to House Vinyl Only Mix

- 今回のDJセットのテーマやアイデアについて教えてください。

今日はこれまでに日本で買ったレコードを中心にセットを組みたいと思って、レコードを準備してきました。だから今日プレイした半分ほどは日本で買ったものなんです。少しチャレンジングでしたが、とても楽しかったです。

サウンドとしては、ダンサブルでグルーヴィなハウスとディスコですね。フランスのクラブでは、最初は古いディスコ、ブギー、ファンクなどから始めて、後半はキックの効いたハウスにシフトするというDJが割と多いんです。だから私もその感じを出したくて、ディスコからハウスへ、古いものから新しいものへ、という流れを作りました。


- 日本を訪れるのは今回で何度目ですか?

今回で5回目です。私は日本が大好きなんです。人々はみんなナイスだし、レコードショップにはお宝がいっぱいありますしね。だからこうしてまた日本を訪れて、色々な人や友人に会うことができて本当にハッピーです。


- 今日プレイした中で、あなた自身が特にかけたかった曲や皆に紹介したかった曲はありますか?

まずは、今日のクロージングにかけた某ジャパニーズ・ブギーのエディットですね。ヨーロッパでリリースされたMonsieur Van Prattの「Illegal Disco」シリーズの12インチなんですが、大好きなんです。

もう1枚は、Peven Everettの「Feelin Who You Are」という曲の12インチ。これも僕の大好きなレコードで、今日プレイしたのは「Original Drum Cartell Full Length Mix」というバージョンです。素晴らしいディープ・ハウスで、僕はこの曲で一旦クールダウンさせた後にアゲていくのが好きなんですよ。

最後は『Inner City Sound Archives』というナイスなEPから、B3の「Dubplate Jam」。レゲエ/ダブとディスコの中間といった感じのサウンドが最高で、今日プレイしたかったんです。


- 今日は日本の楽曲のエディットをプレイしたり、レコードバッグには他にも日本のアーティストの7インチが入っていたりしましたね。あなたにとって日本の音楽の魅力はどんなところにありますか? また、いま特に探している日本のレコードやジャンルはありますか?

日本の音楽、とくに70〜80年代の作品で好きなのは、西洋音楽のスタイルや慣習を取り入れながら、それをさらに昇華し、日本独自の感性を加えているところです。

特にシティポップが大好きで、まさにその魅力を体現しているジャンルだと思います。そして、このジャンルにはまだ発掘されていない名作が数多く眠っているとも感じています。

この時代のアーティストの中でも特に好きなのが久保田利伸です。「Dance If You Want It」を聴いて彼を知ったのですが、本当に衝撃を受けました。


- DJとしてのあなたの目線で、日本のレコードカルチャーやクラブシーンについてどう思いますか?

私には日本のいい友人がいて、彼のおかげで色々な人と繋がれたり、いいレコードショップやクラブを知ることができました。彼に連れていってもらった渋谷の「翠月 -MITSUKI-」は素晴らしかったです。日本にはアンダーグラウンドでクールな、とてもいいクラブシーンがあると思いますし、それがもっと大きくなっていくといいですね。


- 一方で、あなたの暮らすフランスのレコードカルチャーやクラブシーンの昨今の状況はどうですか? 都市ごとの違いなどもあれば教えてください。

フランスでは、クラブミュージックはいまも非常に盛り上がっています。パリだけでなく、主要都市全体でそのカルチャーは根強く存在しています。

最近は、ハウスミュージックはテクノやハードグルーヴほどの人気ではないものの、徐々に再び注目を集めていて、クールなイベントも増えてきています。

パリはフランスのイベントシーンの中心地であり、アンダーグラウンドからメインストリームまで、本当に数多くのクラブがあります。

一方で、ほかの大都市ではアンダーグラウンド系クラブの数は比較的少ないですが、その代わりに小規模フェスやレイヴパーティー(違法なものも多いです)など、地下的なイベントは数多く開催されています。


- ちなみに、70-80年代のフランスでは、今日かけたようなディスコ/ブギーサウンドをフランス語でリリースしていたアーティストも多いのですか? 日本ではフレンチ・ディスコというとCerroneが特に有名ですが(歌詞は英語メインですが)、他におすすめのアーティストや楽曲があれば教えてください。

当時人気のあったフランスのディスコやブギー系アーティストはかなり多いですが、今では少し“古臭い”と感じる人もいるかもしれません。

特に思い浮かぶのは、Claude Françoisの「Magnolias For Ever」です。

個人的には、あまり知られていない曲のほうが好きですが、ときどきクラシックな名曲を聴き返すのも大好きです。

少しアンダーグラウンド寄りの楽曲なら、こんな作品をおすすめします。


René Cecaud – “Disco Dance”

Alec Mansion – “Dans l’eau de Nice”

Silence – “Un Peu D’amour”


- レコードでDJをすることの魅力はどんなところにありますか?

まず何より、レコードという“モノ”そのものが好きなんです。実際に手に取ることができて、「これは自分のものだ」と感じられる。

たとえばハードドライブの中に入ったまま忘れ去られてしまうデジタルデータとは違います。

それに、レコードでのミックスには独特のダイナミズムがあります。トランジションも簡単にはいかないし、しっかり使いこなすには曲を深く理解している必要があります。

最後に、ヴァイナルでのDJセットには厳密さと慎重な選曲が求められると思っています。50枚のレコードを持って現場に行くとして、その中でミスは許されませんからね。


- DJ活動以外で、あなたのクリエイティビティを刺激するものは何ですか?

私にとって料理は、とても刺激を与えてくれる芸術のひとつだと言えます。日常の中で創造性を発揮できる、もうひとつの方法だからです。

だからこそ日本が好きなんです。日本の大衆的な食文化には本当にインスピレーションを受けます。たとえば、美味しいラーメンを一杯食べた瞬間に、自分の楽曲制作に使えそうなサンプリングのアイデアやパーカッションの発想が浮かぶこともあります。


- あなたにとって、DJとして大切なマインドとはどんなものですか?

自分にとって一番大切なのは、良い音楽を聴きに来てくれた人たちを楽しませることです。

ただ自分のすごいレコードを披露するためにいるのではなく、その場の空気や雰囲気を作ることを大事にしています。

だからこそ、ウォームアップセットをプレイするのが好きなんです。フロアのみんなが少しずつ踊り始めて、どんどん楽しんでいく姿を見るのは本当にやりがいがあります。


- 2026年はどのような計画がありますか?

いつか日本のクラブでプレイして、日本の人たちに自分のことを知ってもらえるようになりたいです。また、現在いくつか制作中の作品があり、今後さらにアルバムをリリースしていく予定です。


- 最後に、今日ELLA RECORDSでプレイした感想を教えてください!

実は日本でライヴレコードセットをやるのはこれが初めてだったんですが、とてもクールでした。この機会をくれてありがとうございます。すごく楽しかったです。

(日本語で)今日はここでインタビューできて嬉しいです。ありがとうございます。

 

ブログに戻る
Maison Blanche

パリを拠点に活動するDJ/プロデューサー。シカゴハウス、デトロイトテクノ、そしてFrench Touchムーブメントから影響を受けた、温かくソウルフルなハウスサウンドで知られている。ディープなグルーヴとディスコのエッセンス、そして感情的な高揚感を織り交ぜたプレイは、クラブからオープンエアまで幅広い空間を魅了している。
近年はパリのアンダーグラウンドシーンで確かな存在感を築く一方、ベルリンやロンドンなど海外都市でもパフォーマンスを重ね、国際的な評価を高めている。クラシックなハウスミュージックの感性に、モダンで洗練されたアプローチを融合させたそのサウンドは、世界各地で新たなリスナーを惹きつけている。
2025年にはEP『What A Time』をリリース。ダンスフロア志向の本作は、公開後まもなく10万回以上のストリームを記録し、グルーヴ、空気感、そしてタイムレスなハウスミュージックを追求するアーティストとしての評価をさらに確かなものにした。