AFTER HOURS SESSION

Feroto

- 今回のDJセットのテーマやアイデアについて教えてください。

今まさにツアー中なので、基本的にはバッグに入っているレコードの中から選んでプレイしています。韓国で買ったレコードや、日本に来る前から持ち歩いていたもの、それから昨日日本で手に入れたばかりのレコードも持ってきています。

特に最後にかけたのは、先日手に入れたばかりの素晴らしい日本のアーティストの7インチ盤でした(斉藤哲夫のシングル「いまのキミはピカピカに光って」のB面「シングソング心のままを」をプレイ)。あの曲でセットを締めくくれたのは良かったですね。本当に素晴らしい音楽だと思います。


- 斉藤哲夫のシングル以外にも、今日あなた自身がぜひプレイしたかった曲や皆に紹介したかった曲はありますか?

そうですね。さっきも話したように、今日かけた曲の多くは最近見つけたばかりの新しい発見なんです。その中でも、セットの冒頭でかけたDanny Krivitによる「Lupita」のエディットは特にプレイしたかった曲でした。スペイン語の歌詞が印象的な曲で、最初の一曲として自分が表現したかったムードを象徴するような選曲だったと思います。

それから、ペルーのクンビアを収録した「El Revoltoso」という7インチも最近見つけたお気に入りの一枚です。こうしたラテンの雰囲気を持つ楽曲でセットの最初の数分を彩りたかったんです。

そこから徐々に別のジャンルへと展開していきました。自分はいつも、ラテンやワールドミュージックの要素とハウスミュージックを自然につなぎ合わせることを意識しています。そして最後は、よりバレアリックな感覚を持ったサウンドへと着地させるのが好きなんです。


- 日本を訪れるのは今回で何度目ですか?

5回目ですね。MITSUKIやAOYAMA TUNNELなど、日本に来るたびに異なる場所でプレイさせてもらっています。


- DJとしてのあなたの目線で、日本のレコードカルチャーやクラブシーンについてどう思いますか?
本当に素晴らしいと思います。日本に来るたびに、美しい音楽との出会いがたくさんあって毎回驚かされます。レコードに関して言えば、ここではほとんどどんなものでも見つけることができます。だからレコードを探す場所としては、世界でも最高の国のひとつだと思いますね。


- あなたの国メキシコのレコードカルチャーやクラブシーンの現状はどんな感じですか?特に人気のジャンルやユニークな点があれば、それについてもぜひ教えてください。

メキシコの音楽シーンは、独自の発展を遂げてきました。もちろん重要なクラブも存在しますが、その文化の多くは、インディペンデントなパーティーやコレクティブ、そしてコミュニティ主導のイベントを中心に育まれてきたと言えます。そうした場は、実験的な試みやローカルな表現を生み出すための重要なプラットフォームとなっています。

一方で、ヴァイナルカルチャーも非常に盛り上がりを見せています。特にメキシコシティではその動きが顕著で、レコードショップやリスニングバー、hi-fiカフェが次々と増えています。その多くは、日本のリスニングカルチャーからも影響を受けています。レコードを収集したり、メインストリーム以外の音楽を探求したりすることへの関心も、年々高まっています。

メキシコにおけるヴァイナルカルチャーと音楽鑑賞文化は、まさに今とても面白い時期を迎えていると思います。


- レコードでDJをすることの魅力はどんなところにありますか?

もちろん、音質の良さもレコードの魅力のひとつです。優れたサウンドシステムで聴いたとき、ヴァイナルならではのリスニング体験があるのは確かだと思います。

ただ、私が最も惹かれるのは、レアなバージョンやブートレグ、エディット、そして滅多に耳にすることのない45回転盤を発掘し、プレイできることです。馴染みのある曲が別の言語でカバーされていたり、意外なアレンジが施されていたり、ユニークなエディットによってまったく違う表情を見せたりすることもあります。

観客がメロディを聴いて「あ、この曲知ってる」と思った瞬間に、「でも、いつも聴いているバージョンじゃない」と気づく。そんな場面が私は大好きなんです。その驚きが好奇心を生み、人と人とのつながりをフロアに生み出してくれます。

私にとって、そうした“発見の瞬間”こそが、レコードでDJをすることの最も美しい魅力のひとつなんです。


- DJ活動以外で、あなたのクリエイティビティを刺激するものは何ですか?

DJ以外で最も創造力を刺激してくれるものを挙げるとしたら、おそらく料理ですね。試行錯誤を重ねながらアイデアを磨き、それを最終的に誰かと共有する過程がとても好きなんです。

その感覚は、ある意味でDJセットを組み立てるプロセスにもよく似ています。素材を選び、組み合わせを試しながら全体の流れを形にしていき、最後にはそれを人々と分かち合う。私にとって料理とDJは、創造する喜びという点でとても近い存在なんです。


- あなたにとって、DJとして大切なマインドとはどんなものですか?

私にとってDJとして最も大切なのは、常に好奇心を持ち続けることです。その場の空気やフロアのエネルギーを感じ取りながら、その夜、人々が何を求めているのかを理解しようといつも意識しています。

同時に、自分自身の個性をセットの中にしっかり反映させることも重要だと思っています。オーディエンスとつながることと、自分ならではの音楽観や視点を共有すること。その二つのバランスを見つけることが、DJにとって大切なのではないでしょうか。


- 2026年はどのような計画がありますか?

2026年は、現在制作を進めているいくつかのEPをリリースする予定です。それに加えて、とても楽しみにしているエディット集のEPも発表したいと考えています。

また、メキシコ国内のより多くの都市でプレイしたいですし、現在は南米ツアーの計画も進めています。新しい場所を訪れ、新たなオーディエンスと音楽を共有できることをとても楽しみにしています。


- 最後に、今日ELLA RECORDSでプレイした感想を教えてください!
最高でした。暑かったけれど、とても気持ちのいい東京の朝でした。こうして皆さんと一緒に音楽を楽しみながらプレイできたことは、僕にとって夢が叶ったような体験でした。それに、このE&Sの素晴らしいロータリーミキサーも使わせてもらいました。実はこれを使うのは今回が初めてだったんですが、本当に素晴らしいミキサーでした。サウンドシステムも含めて、ここにあるものはどれも素晴らしかったですね。今日はここに来ることができて本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

 

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Feroto

メキシコシティを拠点に活動するDJ/レコードコレクター。ディスコ、ハウス、バレアリック、ブラジル音楽、シティポップ、そして世界各地で掘り集めたレアヴァイナルを自在に織り交ぜるプレイで知られている。
これまでに東京のAoyama Tunnel、MITSUKI、青山蜂、新宿Bridgeなどで複数回プレイを重ねるほか、韓国・ソウルでも活動の幅を広げている。
尽きることのない探究心と音楽を通じたストーリーテリングを大切にしており、そのセットはグルーヴ、発見、そして予想外の音楽的なつながりによって構築されている。