AFTER HOURS SESSION

Endo Nao

- Naoさんは現在バンコク在住で、移住3年目とのことですが、タイに移住したきっかけを教えてください。

タイ音楽についてもっと知りたかったというのが一番の動機ですね。現地で職も得られそうな状況だったので、今が人生の転機だと思いました。やっぱり日本で見つかるタイのレコードと現地で見つかるものとでは質がまったく違うので、行ってよかったと思います。


- タイ音楽には移住前からハマっていたということですか?

そうですね。元々レゲエ/ダブやトルコのサイケロック、プログレなどが好きだったので、その流れで自然とタイ音楽も好きになってゆき、旅行でタイに行った時に衝撃を受けたという感じです。


- 今回のミックスに込めた思いやアイデアについて教えてください。

今日はタイ音楽の「ルクトゥーン」というジャンルの音楽の中から、特にアップテンポでダンサブルなものを意識して流しました。曲が2~3分でとても短いので、セットの中であまり起伏を作らず、ダンサブルながらもあえて平坦な感じを目指しました。


- 「ルクトゥーン」とはどういうジャンルなのですか?

タイの地方各地からバンコクに出稼ぎにきた労働者たちが故郷を想う歌という感じです。地元の暮らしや料理のことを歌っていたり、下ネタを歌っているような曲もたくさんあります。


- 今日プレイした音源のリリース年代はいつ頃のものが多いですか?

ほとんどが60年代から70年代前半にかけての音源です。


- 当時のタイ音楽は、国営レーベルからのリリースが基本だったりするんですか?それともインディペンデントな民営のレーベルも多いんですか?

国営のレーベルもあるんですが、今日かけたような音楽はインディペンデントなレーベルの方が多いですね。国営モノはもっとスローでクラシカルな雰囲気のものが多いので、あまりDJ向きではありません。


- こうしたタイ音楽のレコードはどうやってディグってるんですか?

レコード屋で買うことももちろんありますが、タイはマーケットカルチャーなので、何処そこでマーケットがあるという情報を仕入れては、そこにいつでも探しに行けるような体制を整えています。「あの日本人はレコード買ってくれるらしいぞ」と向こうが聞きつけて連絡をくれることもありますね。試聴ができるようにポータブルプレイヤーも持っていきます。笑


- Naoさんにとってタイ音楽の魅力とはどういうものですか?

ひとつのスタイルの中に色々な様式を取り入れていて、クンビアっぽく聴こえたり、ダブっぽく聴こえたり、アフロっぽく聴こえたり、と色々な捉え方ができるので、DJとしても刺激的な音楽です。


- 今日聴かせてもらった感じだと、ラテン音楽の影響は結構ありそうですよね?

そうですね。Perez PradoやSantanaのようなメジャーどころのラテンものはレコードを探していても本当によく見ますし、影響はかなり強いと思います。実際に住んでみるとわかるんですけど、タイの人ってかなりミーハーで、流行りものに敏感なんですよ。一人がそれをやったらみんなそっちに行くみたいなところがあるので、音楽もある時期はそのスタイルばっかりみたいな感じです。Santanaのカバーなんて100じゃ済まないくらいの数があると思います。


- 今回はタイ音楽オンリーの45sセットでしたが、普段タイ音楽以外ではどんな音楽をプレイしていますか?

普段はタイを中心に、マレーシアのガンバスやインドネシアのダンドゥット、シンガポールのA Go Go、ベトナム、インド文化圏等のアジア音楽を中心に、アラブ、アフリカ、カリブ、レゲエ等の世界のリズムを新旧混ぜながらプレイしています。エレクトリックをプレイする際は、90年代のテクノやトランスの45回転シングルをスクリューしてダブみたいにかけたり。。色々掘ると世界中に散らばる点と点がどんどん繋がっていくので勉強になります。


- DJ活動以外で、あなたのクリエイティビティを刺激するものは何ですか?

世界の様々な都市の文化に直接触れて、閉鎖的な島国に居るだけでは想像ができないような人々の暮らしを知る事が一番の刺激です。


- あなたにとって、DJとして大切なマインドとはどんなものですか?

ハウスとヒップホップ中心のメインストリームを気にしないこと。そして、自分を見失わない様に努める事です。基本的にワールドはレゲエやガラージロックの様に裏打ちと四拍目が重要なオフビートが多いので、ディスコテンポともファンクテンポとも違うリズムで如何にお客さんの心を掴むかが大切なんです。


- DJとしてのキャリアをこれから始めようとしている方々に向けて、何かアドバイスはありますか?

偉い人では無いので特にアドバイスはないです。keep your faith!


- 2026年はどのような計画がありますか?

東南アジアのルーツ楽器ミュージシャンとのコラボレーションが計画、という程ではありませんが今年の夢です。

 

ブログに戻る
Endo Nao

バンコクで現在活動するEndo Naoは、東南アジアの豊かで多様な音楽の伝統への深い情熱に突き動かされ、その地へと足を踏み入れました。彼の多彩なDJセットは、モーラム、メラユ、ガンバス、ダンドゥット、ターラブ、アフリカン、カリビアン、ダブ、ジャズ等の世界中のアンダーグラウンドなサウンドをシームレスに融合させた、まさに音の旅です。このユニークな融合は、ダンスフロアだけでなく、本物で革新的な音楽を求める耳の肥えた世界中の熱心なディガー達にも響き渡っています。2024年にはWonder Fruits Festival のグローバルグルーヴ/ワールドミュージックステージである”Molam World”に日本人DJでありながら出演しました。