- 今回のミックスに込めた思いやアイデアについて教えてください。
今回は、自分のルーツのひとつでもあるヴィンテージの45sだけで構成したミックスにしました。Rock ’n’ Rollからスタートして、60年代のR&Bを経由し、最後はDoo-wopのバラードで終わる流れになっています。普段はHouseやDiscoをメインにプレイしていますが、渋谷にある INC COCKTAILS では、今回のようなヴィンテージ45sのみのスタイルでプレイしています。GarrardのターンテーブルにUREIのミキサー、プリアンプやアンプ、スピーカーはAltecという構成で、お店のアナログオーディオとモノラルサウンドの相性がとてもいいんです。INC以外でこういうセットをやることはほとんどないので、今回はその空気感や流れをできるだけそのまま記録するようなイメージで、このミックスを作りました。
- こういう音楽とはどうやって出会いましたか?
親の影響もあって、子供の頃からElvis Presleyやロカビリーが好きでした。昔はロードサイドのスーパーなどで、オールディーズの廉価版コンピレーションCDがよく売っていたので、それを親に買ってもらって、自分で編集してオムニバスのカセットテープを作ったりもしていました。最近はINC COCKTAILSで選曲するようになったこともあり、改めてこの音楽と向き合うようになって、7inchを買い揃えています。
- SHIKISAIさんのように30代でこういう音楽をプレイするDJの方は他にもいるんですか?
もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、自分はまだお会いしたことがありません(笑)。INC COCKTAILSでは、他にこういうスタイルでプレイする人はいないですし、お店の雰囲気にも合っているので、いつも喜んでもらえています。
- 今日プレイしたレコードはすべてオリジナル盤ですか?
中には、オリジナルがSP盤という楽曲もありますが、45sとしてはすべてオリジナル盤です。その点はリプロ盤は使わず、こだわってプレイしています。
- 今日プレイした中で特に思い入れの強い曲や「これだけは聴いてほしい」という曲はありますか?
やっぱり The Flamingos の「I Only Have Eyes For You」ですね。Doo-wopの名曲で、American Graffiti のサウンドトラックにも収録されていますが、自分にとっては一番好きな曲です。INC COCKTAILSでも、ある意味テーマソングのような存在で、毎回必ずかけています。この曲をかけるために全体の流れを組んでいると言っても過言ではないですね(笑)。
- ヴィンテージサウンドの魅力をいま20代以下の若い世代に伝える場合、SHIKISAIさんならどう説明しますか?
今でもカバーされていたり、CMで使われている楽曲が多くて、実は知らないうちに耳にしている音楽だと思うんです。シンプルだけど感情がすごくダイレクトで、今の音楽のルーツになっているものも多いので、まずはコンピレーションやサブスクのプレイリストから気軽に楽しんでもらえたら嬉しいですね。それと、2〜3分くらいの曲がほとんどなので、たくさん聴けるのも魅力です。そこから自分の好きなテイストを見つけて、掘り下げていくのも楽しいと思います。