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#044 落語はJAZZだ -夏の古典-

落語はJAZZだ

落語はジャズに似ているとよく言われます。同じスタンダード曲でもプレイヤーによって演奏やアレンジが異なるのと同様、落語の古典も噺家それぞれの解釈やアプローチで演じ方が変わるからです。噺そのものの面白さだけでなく、そんな噺家それぞれのテイストの違いを楽しむのが落語の醍醐味なので、今回は聴きくらべができるよう、あえて同一演目を噺家違いで並べてみました。演じるのはいずれも今の落語界を代表する現役の実力派ばかりです。気に入った師匠がいれば、ぜひ生の落語を聴きに足を運んでみてください。

-夏の古典-
今回は、夏のスタンダードというべき古典落語の中から、軽くて笑える「滑稽噺」だけを四席選びました。あらすじと噺家ごとの簡単な特徴をまとめたので参考にどうぞ。

①青菜
~あらすじ~
主人公の植木屋は、仕事に入ったお屋敷の旦那さんに酒と肴をご馳走になる。青菜のおひたしが品切れしていたのを粋な隠し言葉で伝え合う旦那さんと奥さんにいたく感動した植木屋は、家に帰って友人相手に同じことの再現を試みるが……。

1. 入船亭扇遊‥‥明るく軽やか、そして粋。お手本のような正統派落語。
2. 柳家権太楼‥‥当代随一の爆笑派による豪快な一席。
3. 林家彦いち‥‥現代的でポップな初心者にも聴きやすい落語。
4. 桃月庵白酒‥‥上手さの中に毒気と現代的なアレンジが光る大胆な一席。

②船徳(ふなとく)
~あらすじ~
遊びすぎて家を勘当され、船宿に居候している大商店の若旦那=徳三郎は、急に「自分も船頭になる」と言い出し、周りを困惑させる。ある日、まだロクに舟も操れない徳三郎は、無謀にもお客を乗せて大川(隅田川)に漕ぎ出すのだが……。

1. 五街道雲助‥‥今の落語界唯一の人間国宝による渋くて粋な超正統派落語。
2. 桃月庵白酒‥‥雲助の弟子。師匠の粋と今風のキャッチーさが融合した軽快な高座。
3. 柳家さん喬‥‥人情噺が有名な現役最高峰の実力派は、滑稽話も軽妙で抜群。

③鰻の幇間(たいこ)
~あらすじ~
たいこ持ちの一八は、誰かをヨイショして昼飯を奢ってもらおうと往来で見かけた男に声をかける。結果、鰻をご馳走してもらえることになるが、連れていかれた鰻屋がとんでもない店で、挙げ句には……。

1. 柳亭市馬‥‥‥安定感抜群。これぞ王道。衒いのない正統派落語。
2. 桃月庵白酒‥‥楽しい余韻だけが残るカラッと小気味いい快演。
3. 柳家権太楼‥‥爆笑王の本領発揮。ずっとニヤニヤしてしまうパワフルな抱腹絶倒編。

④百川(ももかわ)
~あらすじ~
日本橋の料亭「百川」で働かせてほしいと田舎から出てきたお国訛り全開の百兵衛。人手不足でいきなり客の応対を任されるも、訛りのせいで客とまったく会話が嚙み合わない。次第にそれが壮大な勘違いを生んでゆき……。

1. 春風亭一之輔‥‥人気実力とも若手No.1。正統派ながら随所に現代的な味付けが光る。
2. 柳家さん喬‥‥‥笑いの中にも人情味を感じさせる繊細な人物描写が見事。

Playlist and cover art by Mikiya Tanaka (ELLA RECORDS)

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