- この度はご参加いただきありがとうございます。今回のミックスに込めた思いやアイデアについてお聞かせいただけますでしょうか?
Kei : 機会をありがとうございます!今回のヴァイナルオンリーのミックスは、私達が90年代から現場でプレイしてきたハウス・ミュージックと、またはプレイしたくても中々出来なかったもので纏めてみました。もちろん私達Dazzle Drums名義のヴァイナルも少し紹介したいです。
- ミックスを作成する際のご自身のアプローチ方法について教えて下さい。
Nagi : ミックスの提供先によって選曲やスタイルも変わってくるので、それぞれの違いを楽しみながら準備します。
Kei : 人と音楽を共有出来る現場とはまた違う、今プレイしたいもの、少しラジオのミックスショーに近いアプローチでしょうか。日本の人達にはもっとダンスフロアに気軽に遊びに来て欲しいので現場のライブ感も出せたらなと。今しかできないことをエモーショナルに表現して、ダンスフロアで踊ってもらいたいと想像します。
- 新しい音楽を探す際に、どのような方法を好んでいますか?まだ実際にレコード店で音楽を探すのを楽しんでいますか?それともオンラインでの購入を好むようになりましたか?
Kei : 元々レコード屋さんでハウス・ミュージックのバイヤーとして働いていたので、毎週月曜日にネットでその週のリリースを各ジャンルチェックするのが習慣になっています。今は遠いところに住んでいるので、都内のレコード屋さんに中々足を運べないので残念ですが、やはりレコード屋さんでの音楽の出会いが一番思い出に残っています。レコード屋さんでの音楽探しも楽しい体験です。クラブやバーと同じく、コミュニティとしても大切な場所だと信じています。
Nagi : オンラインでレコードを掘るのは、デジタル音源を掘る感覚とすごく近いですよね。差があるとしたら、在庫に左右されるところ。実際に店舗で探す時は、気力も体力も使うし、失敗も多い。でも買って帰るときの電車の中での幸福感はすごいし、何より予想できなかった最高の盤が手に入ることもある。そんな一枚は、大抵お店の方や一緒に買いに行った人が導いてくれるんですよね。そうやって一枚一枚に物語が作られていくのが、とても好きです。
- DJ活動以外で、あなたのクリエイティビティを刺激するものは何ですか?
Kei : 音楽制作。DJ活動にとてもリンクしますし、ルーツを大切にしたオリジナリティを模索しています。DTMにもAIが多用される時代になりましたが、結局はAIには出せない人間力やアイデアなんだと。YouTubeのチュートリアルも沢山見てしまいます。また、ダンスフロアで踊る事。知らない曲は勿論、好きな曲を別の人がプレイしているのでさえ新たな発見があるし、なによりも低域やダイナミックレンジを身体で覚える感覚ができます。また、知らない街、知らない音、知らない世界、新しい経験を探し求めているような気がします。終わりのない世界だからこそ、続けられるんだと思います。
Nagi : 私はKeiくんのように表現のアイデアを制作で具現化するスキルを持ち合わせていないので、ものすごくゆっくり進んでいきますが、Logicを触っている時間は楽しいです。ダンスフロアで遊んでいて、どうしてこんな音/メロディが作れるのだろう、って曲に出会うと、いまだにワクワクします。
- DJとしてのキャリアをこれから始めようとする方々に向けて、なにかアドバイスはありますか?
Kei : アドバイスなんて出来ないです。自由に楽しみながら人と共有して、言葉よりもまずは音楽を沢山感じてインプットして沢山経験する事が大切だと自分にも言い聞かせています。
Nagi : いろんな場所に行くと、予期せずに最高なDJを体験することがあります。でもそんなDJさんほど、器用な宣伝活動はせず、寡黙に、コツコツ信じた音楽を真摯に続けてらっしゃる。そういう方に出会うと私自身はものすごく混乱します。DJの成功とは何か。アドバイス、私には難しくてできないです。
- 2024年はどのような計画を立てていますか?
Kei : レギュラーであるお店の0 Zeroが6月で終わってしまったことになりとても寂しいですが、東京各所でレギュラーパーティーは変わらず続けていきたいです。既にソウルやメルボルンを訪ねることが出来ましたが、夏前には再びEUへ一か月間周る予定です。Vinylリリースも予定では2つあって、自分達のレーベルYellow Parrot Recordingからのデジタルリリース、リミックスリリースもまだまだ沢山予定があるのでぜひチェックしてみて踊りに来て下さい!